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ドミニク・ブシェ トーキョー

最高の食材同志のハーモニーが生み出すモダンフレンチ

CUISINE / FRENCH

私の役割は、伝統的なフランス料理を次世代の日本人に伝えること

「私の役割は、伝統的なフランス料理を次世代に伝えること」と、明確に語るブシェ氏。料理は、バターやオイルを最小限に控え、ヘルシーでありつつも、その日最高の食材をふんだんに使用。フランス料理の伝統の継承を強く意識する。その信念を反映して、店では「エリタージュ」「ジェネラシオン」「アルモニ」の3コースを提供する。

 

「エリタージュ」は、ブシェ氏の経歴の中で生み出された数々のスペシャリテを中心に構成される内容。まるで、フランス料理の栄光の足跡をたどるような格調と、ブシェ氏のセンスが融合した料理が続く。

「ジェネラシオン」は、若手シェフたちとブシェ氏がともに作り上げるコース。ブシェ氏から継承したフランス料理の伝統を若手が受け止め、それをみずみずしい感性でどう表現するか、にフォーカスした内容。

伝統を踏まえながらも、現代的なニュアンスをまとっている点が魅力だ。

 

「アルモニ」は、伝統と革新、2つを同時に楽しめるコースだ。

メニュー「エリタージュ」より

「キャビアとウニを添えたオマールブルーのジュレ」。

オマールブルーの殻からひいたコンソメをジュレ仕立てにして、オマーブルーの身、北海道の板ウニ、キャビアを贅沢に使用した一皿。

メニュー「エリタージュ」より「仔牛のロティ グリーンアスパラガス ジュ・ド・ヴォー」。

乳飲み仔牛のローストに季節のアスパラをふんだんに使った一皿。仔牛のエキスから丁寧にソースに仕上げ、合わせる事で、仔牛肉の印象をしっかりと演出している。

メニュー「ジェネラシオン」より「帆立貝のカルパッチョ 青りんごのジュレ」。

甘くて滑らかな帆立に、食感のアクセントとして胡瓜を使用。爽やかな味わいの青リンゴ、マンゴーと合わせて帆立の甘みをより際立たせる。

メニュー「ジェネラシオン」および「エリタージュ」より「赤い果実のフォンダンショコラ ミルクジェラートと共に」。

しっとりとした仕上がりのフォンダンに果実の酸味をアクセント。

自家製のミルクジェラートとの相性を楽しめる一皿。

シンプルで深いブール・ブランのソース

「私は料理で、ソースを最も重視しています。今回紹介するオマールの料理も、ソースがポイントとなっています。

この料理は、牛ひき肉とマッシュポテトを重ねてオーブン焼きにした伝統料理『アッシパルマンティエ』が発想の出発点となっています。牛ひき肉の代わりにほぐしたオマールを使い、オマールの殻からとる濃厚なビスクソースで和(あ)えて、エストラゴンで香りづけ。これをマッシュポテトとともにタンバル型に整えます。さらにパン粉をふり、オーブンで焼いて、香ばしさと食感をプラス。

 

周りに流したソースは、フランス料理のごく基本のソースであるブール・ブラン。バター、エシャロットのみじん切り、白ワイン、白ワインヴィネガー、レモン汁というシンプルな材料で作る、そしてだからこそ料理人の腕、ソースへの向き合い方が如実に表れるソースです。

 

酸味とバターのバランスをどうとるか?

エシャロットを白ワイン、白ワインヴィネガーでどれだけ煮詰めるか?

余分なものを入れなくても食べた人の印象に深く残るソースは作れる。ブール・ブランは、その典型です。オマールを和えたビスクソース、周りに流したブール・ブラン。互いを高め合う2種のソースの融合も見どころの一品です」

料理を飛躍的に高める魔法

「ソースは手間のかかるもの。今ではフランスの料理人ですらおざなりにすることが少なくありません。

しかし、ソースはフランス料理の技術の結晶であり、フランス料理を他の料理とは一線を画する存在たらしめているもの。時代を超えて引き継がれるべきものだと思います。

つまり、私のソースへの思いは格別なのです。ですから、もう少しソースの話をさせてください(笑)。

 

フランス料理の基本構成は、主食材、ソースあるいは食材から出るジュ(エキス)、付け合わせです。今は形を崩す人も多いですが、私自身は先人の技に敬意を払い革新を加えながら、次世代に伝える役割を担うのが自分の道、という信念を持っています。

 

その中でも大事にしているのは、シンプリシティ。基本の3要素を調和させ、研ぎ澄ませ、時代に合った軽さ、香り高さを持たせること。昔は重いソースがたっぷりと添えられた料理もあり、そのイメージが強いかもしれませんが、ソースは時代とともに軽やかな変容を遂げてきました。

しかし実際は、内容と量に気を配れば、ソースは料理を飛躍的に高めてくれる。当店では、多くのお客様が『ソースがおいしくて完食した』とおっしゃいます。ソースは、やはり次世代に引き継がれるべきフランス料理の宝です」

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