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茶禅華

「葱油鶏」「冷やし担々麺」

CUISINE / CHINESE

対比を楽しんでいただく

柚子は大好きな食材で、特に青柚子は初夏を象徴する香り。その青柚子とクラゲに、古くからの定番料理「葱油鶏」――蒸し鶏を、ネギとショウガのみじん切りに熱い油をかけて香り立たせた醬で和えた料理――のイメージを重ねた一品です。

クラゲと蒸し鶏に、ネギ、ショウガ、そして青柚子の香りをまとわせ、柚子釜におさめました。クラゲは傘と脚の間にある、分厚く弾力の強い部位を使用しています。お客が召し上がる時間から逆算してボイルし、水にさらすことでコリコリとした理想の食感に仕上げています。

クラゲにそこまで気を使う店はめずらしいのかもしれませんが、だからこそ、柔らかい蒸し鶏との鮮やかな対比を楽しんでいただけると思います。

目の前のお客に向き合う

冷やし担々麺。

もともと四川の担々麺は汁なしですが、「ラーメンが好きな日本人には汁ありがおいしいはず」と、四川飯店創業者の陳建民さんがカスタマイズした、というのは有名な話。その、目の前のお客に向き合い、本来の伝統料理の本質をとらえながら改変する姿勢を尊敬しているので、汁ありで作っています。ベースとなる清湯は、鶏ガラを煮出し、こしたものをまずは氷温で3日間寝かせて旨みを深め、使う前にひき肉で澄ませつつ香りを復活させています。

 

手間はかかりますが、この清湯があるからこそ、冷たい料理でも、スープにコクと香りがしっかりと感じていただけると思います。

それと自家製ゴマペーストと豆乳で仕上げているのですが、豆乳が加わることで清湯とゴマペーストを乳化させて、ごくなめらかな口当たりが生まれます。スープも麺もキリッと冷やし、自家製ラー油と四川山椒をふって完成です。

後世につないでいくこと

令和の時代に大切だと思うのが、先人から継承したものを、後世につないでいくことです。

そこで注目したのが、干し鮑です。干し鮑は中国料理随一の高級食材ですが、その一級の産地として日本の三陸が知られています。中国料理の歴史の中に日本という1ページがあることを、日本人として意識して継いでいきたい。

そんな思いから、1年ほど腰を据えて干し鮑に取り組み、世界の干し鮑を試した結果、三陸さんは別次元だと実感しました。干し鮑特有のパワフルで格調高い旨み、芯にある熟成した昆布にも似た深い香り。どれをとってもまさに超一級です。この三陸産の干し鮑を2日間水煮漬けてから30分ゆで、さらに鶏肉、豚肉、鶏の脚先、金華ハムを入れた鍋の中で12時間、グツグツと煮ています。どこまでもなめらかな舌触りで、適度な弾力がありつつ柔らかく、かみしめるごとに旨みがあふれる、理想の戻り具体を追求しました。

煮汁は鶏ひき肉とともに加熱して澄ませたものを、サッとかけて。「寿」の形に切った昆布入りの文山包種茶を添えています。

 

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