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タクボ

田窪 大祐

CHEF / ITALIAN

肉を薪で焼く。旨さは究極の幸せ

こだわりの「薪焼き」スタイルで焼き上げた、食と人の心を豊かにする極上イタリアンステーキ

 

田窪 大祐(たくぼ・だいすけ


1976年愛媛県生まれ。辻調理師専門学校を卒業後、「アル・ソリト・ポスト」や「アロマフレスカ」などで修業を積む。2006年に広尾に「リストランティーノバルカ」を、2010年に恵比寿に移転しオーナーシェフとして「アーリア ディ タクボ」をオープン。2016年に代官山で「タクボ」を開業。

 

自然と人をつなげる薪焼きの肉

旨い肉を食べたい時に訪れたいのが「タクボ」。

食材と人を大切に、誠実かつシンプルに料理に向き合ってきたシェフ、田窪大祐氏がたどり着いた、高温でカリカリ、ジューシーに焼き上げた薪(まき)焼きの肉は、実に旨い。この豪快な“十勝田くぼ牛”ステーキはリピーターが後を絶たない逸品だ。

食材を生かす自然体の料理

表面はカリカリだが、かむとジューシーな肉汁に口中が満たされる。柔らかく、肉の旨みが詰まった“十勝田くぼ牛”の薪焼きには、食べた瞬間に人をとりこにする魅力がある。

 

「原始時代から、火のあるところに人が集まってきたでしょう。目の前の火で焼きたての肉には、やはり力があるんだと思います」とオーナーシェフの田窪大祐氏は言う。

 

蓋(ふた)のない開放暖炉を使っているため、空気に触れさせながら木にストレスをかけずに熾火が作れる。うまく仕上がった熾火は、高温でもホカホカと穏やかで、肉を慈しむように焼き上げる。火と肉にこだわったら、あとは愛をもって調理するだけ。気負わず、飾らず、率直な田窪氏の姿勢が、そのまま表れたストレートな味わいだ。

 

愛媛県今治市で生まれ、子どもの頃から料理好き。大阪の調理師専門学校に入り、在学中にイタリアンに目覚めた。最初は松山の店に勤めたが、本で見た日髙良実シェフの洗練された料理に愕然(がくぜん)とし、上京。田窪氏の料理哲学の9割を作ったのは、当時、広尾にあった「アロマフレスカ」のシェフ、原田慎次氏だ。

 

「バブル時代のコテコテのイタリアンではなく、食材を生かすアプローチが斬新でした。今でも新しい食材に出合うと『原田さんならどうするだろう』と自然と考えますね」

そのアロマフレスカが移転するにあたり、同店が入っていたビルの所有者と共同経営したのが「リストランティーノバルカ」。2店目の「アーリア ディ タクボ」でオーナーシェフとなった。そして、40歳で物件探しから手がけたのが現在の「タクボ」だ。

 

店の方向性で迷いが生じていた時に薪焼きに出合い、衝撃を受けての決断だった。「薪焼きは夏は暑いし、ラクではありません。でも、便利な現代で、のんびり火を熾(おこ)すところから始めるというのもいいじゃないですか」と笑う。コンセプトは「自然」。信頼できる生産者から仕入れた食材を生かし、自分が心からおいしいと思うものだけをゲストに供する。田窪氏の自然体の料理が、店を出てからも温かな余韻となって、心身を満たしてくれる。

生産者には必ず会いに行きます

「いくらおいしくても、食材に対して愛がなかったり、清潔な環境で作っていなかったりすると嫌なんです。

 

だから、生産者さんには必ず会いに行きます。一人のこだわって作っている生産者さんを知ると、その知り合いを紹介してもらって、輪が広がっていくことが多いですね。現地でその食材がどのように食べられているかが、料理のインスピレーションになることもあります。自分も行くし、生産者さんにも店に来てもらって、何が必要かをお互いが理解し合えている関係が理想ですね。

 

例えば、北海道の福田農園の王様しいたけや、和歌山県の山利の釜あげしらす、広島県の梶谷農園のハーブ、岡山県のエバーグリーンのオリーブオイルなど。さらにおいしいと思う食材に出合ってもすぐに乗り換えず、生産者さんに相談して一緒にそれよりさらにおいしいものを作りたいと考えています」

薪焼き始めました!

「代官山に店を移してから、新しい挑戦として薪焼きを始めました。

 

ナラの木を40分から1時間くらい熱した熾火(おきび)で焼くのですが、遠火で均一に焼く炭火と違い、高温の近火で一気に焼きます。うちの場合、冷蔵庫から出したてのサーロインの塊肉を、薪の熾火でこまめに裏返しながら10分で焼き上げます。

最近ではしっかり常温に戻した肉を、時間をかけて低温調理するのが主流なのですが、あえて常識を覆したいというわけではありません。単純に、理想の焼き上がりのイメージから逆算していくと、今のような焼き方になるのです。僕の場合、外側にパリッとした肉の壁を作りたい。それには、常温に戻した肉だと、火が中まで入り過ぎるのでダメ。

 

薪焼きで一気に焼くことで、ナイフで切った時には身にとどまっていた肉汁が、口の中でかんだ時に初めてあふれ出してくる、理想の焼き上がりが実現できます」

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