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ナベノ - イズム

渡辺 雄一郎

CHEF / FRENCH

ジョエル・ロブションによってプレミアムとは何かを知った

「修業で現役時代のロブションさんの料理に携われたこと、また彼の集中力、厳しさを同じ厨房でともにできたのは、幸せでした」

渡辺 雄一郎(わたなべ・ゆういちろう)


誕生日:1967年11月7日 出身地:千葉県

辻調理師専門学校を卒業後、「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」に勤務。1994年、恵比寿「タイユバン・ロブション」の立ち上げから入店し、2004年から11年間、「ジョエル・ロブション」の総料理長を務める。2016年、浅草駒形にて「ナベノ-イズム」を開業。『ミシュランガイド東京2019』では二つ星を獲得した。

和の食材をフランス料理に

2004年から11年間にわたり、「ジョエル・ロブション」の日本人シェフの任を務めた渡辺雄一郎氏。その前もロブションの店で10年間過ごしており、実に21年もの年月をロブションのもとで働いた経験を持つ。

「僕にとって、ロブションさんは大師匠。すべてを教えてくれた存在です」渡辺氏は言う。とりわけロブションが51歳で料理人を引退した1996年より前にロブションのもとで働くことができたという経験は何ものにも代え難い。

そして、2004年の新生「ジョエル・ロブション」でシェフに就任それまでロブションが許していなかった和の食材や要素を取り入れながら、フランス料理に着地させるいう方向を積極的に探り、その道筋を作った。シェフ就任直後、初めてロブションの来日を迎えた時に、提案したのが甘鯛を和の技法である松笠焼きにした料理だし、フレンチの技法で作ったベルモットと柚子の香るナージュ仕立てにし、フランス料理の一皿として成立させた。

「当時は今ほど和とフレンチを融合させる動きはなく、魚を鱗付きで出す料理も、ジョエル・ロブションの歴史の中で一切ありませんでした。『これでダメならシェフを辞めてもいい』という覚悟でしたね」と話す。

そして試食を終えたロブションが「ブボー」と口にした渡辺氏にとっても新たな時代が幕を開けた。20167月に浅草駒形で「ナベノイズム」をオープンした渡辺氏。浅草の地に色濃く残る江戸東京の食文化を反映すると同時に、フランス料理の根幹もはずさない。

「師のもとでずっとフランスを感じながら学んできたので、フランスの郷土料理に根差したフランス料理であることは変わりません。その中で、日本人の僕にしかできない、日本の心とフランス料理の融合を目指したいと思っています。たとえば僕が毎日作っているそばがきとキャビアの料理でも、昔ながらのフランスのキャビアの食べ方が潜んでいるのです。突拍子もないことをやっているのではなく、あくまでフランス料理。その中で、次世代に残っていく、自分らしい料理を追求していきたいと思っています」

風味が織りなすハーモニー

「日本伝統食材とフランス伝統食文化を融合させたサラダニソワーズのイマージュですグロは江戸料理の伝統食材ニース風サラダは、春から夏のプロヴァンス料理の中でもが特に好きな定番です。

 

マグロは日本料理の包丁さばきに敬意を表して柳刃包丁でひき、塩とトレハロース、日本酒をまぶして短時間漬け込んだのち、新時代に注目される調理器具、エマージュバーナーで瞬間的に炭火の香りをまとわせていますそこにホワイトセロリやエシャロットなどの南仏野菜を合わせ、卵は奈良県の農家のブランド卵、リーフマウンテンエッグの凍結卵黄を使いました

 

アンチョビのフォンダンの滑らかなテクスチャー、凍結卵黄のとろけるような濃厚さ、愛媛県産無農薬レモンの爽やかな風味が織りなすハーモニーを楽しんでいただける一皿になっています」

 

思い入れのある一品

「ロブションさんのスペシャリテ『キャビア甲殻類のジュレカリフラワーのクレームら発想した前菜です

 

キャビアをごくなめらかなテクスチャーともに食べる構成を、一気に練り上げ、バターとともに乳化させたそばがきで表現しました。香り高いそばの香りとキャビアの旨みと塩気、上質な昆布出汁のジュレ、天城のわさびとのコンビネーションを味わっていただけます。

 

ロブションさんのキャビアの料理は、僕が辻調理師専門学校のフランス校で学んでいた時代にはじめて食べて衝撃を受けた、原点のような料理です。この料理の秘密を知るには飛び込むしかない、と思ったのが始まりですね。

 

私はソバリエの資格を取るほどそば好きでもあるので、思い入れのある一品」

初めて提案した料理

「2004年にジョエル・ロブションのシェフに就任した時、僕がロブションさんに初めて提案した料理です。

 

ちょうど冬だったので、日本の冬を存分に感じさせる食材である甘鯛、百合根、柚子などを用い、甘鯛では衣をサクッと仕上げる和食の技法、松笠焼きを導入しました。フランスの技法で作ったベルモットと柚子の香るナージュ仕立てにしています。自分の料理人人生をかけて、考えに考え抜いた一皿ですね。

 

料理を試食したあと、ロブションさんは、『ワタナベーッ!とこちらを向き、『ルセットを!と言ったのです。瞬間的に『怒られる!』と思ったのですが、どうやら説明のチャンスをもらえたようだ、と。それで料理の構成と意図を説明し、どうフランス料理を踏襲しているか伝えました。

 

ロブションさんはうん、うんと言いながら食べ、食べ終えた時にブラボーと言ってもらえたには感激しましたね。

 

ナベノイズムでも、冬のスペシャリテとして提供しています」

ナベノ – イズム

東京都台東区駒形2117

TEL 0352464056

http://www.nabeno-ism.tokyo

営業時間 ランチ 12:0013:30(L.O.)

     ディナー 18:0021:00(L.O.)

日曜18:0019:30(L.O.)

月曜定休、他不定休あり

【アクセス】都営地下鉄浅草線浅草駅から徒歩3

【席】テーブル24

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