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虎白

小泉 瑚佑慈

CHEF / JAPANESE

トリュフ、フォアグラ、フカヒレが洗練された和食の味を作る

旬の食材そのものの持つおいしさと、それを引き出す調理法、食材などの組み合わせを徹底的に追求

小泉 瑚佑慈(こいずみ・こうじ)


1979年神奈川県生まれ。ミシュラン三つ星の「石かわ」の石川秀樹氏に師事。2008年に「石かわ」の移転に伴って「石かわ」創業の地にオープンした「虎白」の料理長に28歳で就任した。2016年にミシュラン二つ星から三つ星に昇格し、国内最年少の“三つ星料理人”となった。以来、三つ星を保持し続ける。

ここでしか食べられない“今のベスト”を表現

日本料理の伝統的スタイルを踏襲しながらも、それにとらわれず、日本の旬の食材そのものの持つおいしさと、それを引き出す調理法、食材などの組み合わせを突き詰め、今までにないおいしさを表現する。それが、「虎白」の料理哲学だ。

「日本料理には、旬の食材をおいしく食べる定番のものがあります。たとえば、夏になると鮎の塩焼き。それはもちろんおいしいけれど、他の店でも楽しめますよね。だからうちではあえてそこから離れて、生きた鮎をまるで泳いでいるような姿で素揚げにして、トリュフのソースで食べるなど、新しい料理を提供しています。それでお客様に『えっ、鮎って、トリュフと合わせると鮎の苦みの新しい味わい方になるね』と喜んでいただくことが、作っている僕にとっても楽しみなんです」

 

トリュフ、フォアグラ、フカヒレ。ジャンルに捉われず、高級食材を使うが、それで単純に“おいしさ増し”をしようとは考えていない。「そんなのは浅知恵だ」という小泉瑚佑慈氏。外国の食材を使っても、日本料理としての軸は決してブレない。だから、それをメインに出すようなことはないのだ。

ジビエシーズンには熊や真鴨、猪も使いますが、同じ料理がメニューに上がることはほとんどないですね11.5カ月ごとに変わるメニューは毎回、旬の食材の組み合わせも調理方法も違います。調理方法によって異なる食材の味と特徴を記憶し、まず大きなイメージを描いて、試作を重ねながら新しい料理を模索していきます。食材は産地にこだわらず、その日に一番いいものを取り寄せます。これはおやじさん(師匠の石川秀樹氏)の教えでもありますね」

 

とにかく、その、ここでしか食べられない“今のベスト”を表現する

師匠の「愛」に、全力で答えたい

「料理の専門学校を卒業してから1年間違う店で働いて、『岡ざき』に就職。そこで料理長をしていた石川さんに会いました。その後、おやじさんが神楽坂で独立するというので一緒に来て、最初は奥さんも含めて3人で『石かわ』をまわして。おやじさんが『体には有機野菜がいい』とか、自分が経験してやってきたことをどんどん実践して、みんなで共有してね。楽しかったですね。

 

おやじさんは、最初はそれは怖かったですよ。鬼みたいでした。それでも、仕事の姿勢や料理に対する情熱は凄かったですね。妥協しないし、筋は曲げない。すべてにおいてそれが当たり前、っていうスタンスでね。そういうところに惹かれたし、ものすごく勉強になりました。仕事としては教えてもらったことはないですね。自分で見て、考えて、覚えるスタイルでした。

 

といっても、昔気質の『背中を見て育て』って突き放されるのとは少し違って、聞いたらちゃんと答えてくれる。でも細かいことを言われるんじゃなくて、弟子であっても人としてリスペクトしてくれて、信頼して、任せてくれるんですよね。大事にしてもらっているという感じが伝わるんです。愛ですよね(笑)。だから、いざ石かわを出て虎白を任せてくれるとなったら、『お願いね』だけ。

 

ただ、石かわともまた違う店になるように、『いろんなことにチャレンジしろ』とは言われました。だから、海外の食材を取り入れるとか、今までにない料理構成によって、日本料理の幅を広げることに常に挑戦しています。ここにしかない、新しい日本料理を。石かわのDNAは、確かに受け継いでいると思いますね」

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