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ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン

ルカ・ファンティン

CHEF / ITALIAN

チャレンジを止めない

世界で活躍する料理人が、モダンでクリエーティブなイタリア料理を作り続けている。誠実に、一歩ずつ向上する料理から目が離せない。

ルカ・ファンティン


1979年イタリア・トレヴィーゾ生まれ。スペインの「アケラレ」や「ムガリッツ」で修業、ローマ「ペルゴラ」にてスーシェフを務める。2009年より「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」のエグゼクティブシェフ。11年よりミシュラン一つ星を保持し、今年の「アジアのベストレストラン50」で28位にランクインする。

 

 

食材と味に寄り添う

ブルガリ銀座タワーにオープンするリストランテのシェフに就任したのを機に、来日したルカ・ファンティン氏。当時30歳。2019年で10年の節目を迎えた。ファンティン氏の料理を形作っているのは、イタリア料理のベース、食材――特に日本の食材――への理解、そして現代的なセンス。食材や料理に対する心構えは、穏やかで誠実な人柄そのまま。現代的な技術、演出を用いる際も、それは「料理の味のため」という目的の中でのこと。表現や技術の面での挑戦を続けながら、あくまでも食材と味に寄り添う姿勢が、氏の料理では貫かれている。

成長への情熱

このように料理と向き合いつつも、新しい世界との出会いも求め続けるファンティン氏。ここ数年は世界各国のトップシェフとのコラボレーションイベントを定期的に開催し、スペイン、南米、オーストラリア、アメリカ、アジア……それこそ世界中のシェフと組んでの精力的な活動を続ける。

 

そのバックボーンにあるのは、「常に新しいことにチャレンジして、成長したい」という生来の情熱。日本に来たのもチャレンジであったし、その前の修業時代もチャレンジと旅の連続であった。まずは母国イタリアでの修業を経て、モダンガストロノミーでもっとも勢いがある国、スペインに渡った。そして「アケラレ」や「ムガリッツ」など、トップシェフの厨房で修業を重ねた後、「龍吟」山本征治氏のサンセバスチャンの料理学会での発表に感銘を受け、東京の同店で研修。その後はイタリア・ローマにて、ミシュラン三つ星の「ペルゴラ」ハインツ・ベック氏のもと、スーシェフとして働いた。こうして積極的に新しい土地へ出かけ、ステップアップを重ねる20代を過ごしたうえでの来日、シェフ就任、そしてこの10年の活躍がある。

 

「ここ数年、毎月のようにあちこちの国に出かけて仕事をしています。刺激的で楽しいのですが、ちょっと忙しすぎるかもしれませんね」と笑う。実力と発信力を兼ね備えたファンティン氏には、ますますの活躍と飛躍が期待されている。誠実に、一歩ずつ向上する氏とその料理から、目が離せない。

ピンセットはチームの証

「今、愛用しているもの」として紹介してくれたのは、パスタ、パスタ用のトング、盛り付け用のピンセット。フェリチェッティ社の「モノグラーノ」シリーズのパスタは、非常に希少な原種に近い小麦が使われている。味、香り、食感ともに群を抜いてすばらしい。パスタは、鮨におけるシャリのようなもの。一つの素材として重視しているという。

 

「パスタ専用のトングは、ボローニャの調理道具専門店で買いました。日本に来る前から使っている、長年の相棒です。先端が丸く、生パスタをつかんでも崩れない、とても使いやすい道具です」

 

盛り付けでピンセットを使うと、格段に集中力が高まるというファンティン氏。この店では必須アイテムで、スタッフ全員に名前入りのピンセットを私から贈っているほど。新人には、1カ月ほど様子を見て本採用になったら贈る。「名前入りの道具をもらったら、辞めにくいでしょう?(笑) それは冗談ですが、ピンセットは、いわば私たちのチームの証しです」と話す。

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